追分セミナーに参加

 追分セミナーには4回参加しました。

舞台であがる質なので度胸をつけるためと、江差の風に当たり、江差の匂いを嗅ぎ、江差の海を見たかったからです。鴎島から見る日本海は正に江差追分の海でした。

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 (江差町郷土資料館より)鴎島

 

  遠くから行くとなると4泊5日で、まあそれなりに費用はかかりますが、内容は十分お釣りが来ます。とにかく3日間朝から晩まで追分づけです。

同じ教室の中に10傑の常連の人とか熟年名人とかが入る時もありました。そんな時はまるで宝クジに当たったような気分になります。NHKの取材が入った時もあります。

最終日に格付審査と追分酒場があるのも魅力です。

特訓のお陰でありがたいことに4回のうち2回昇級させてもらいました。勝率五割です。再び追分を始める30年前に4級秀をいただいてますので、3級秀になりました。

とにかく、この追分セミナーというのは参加して初めて知りましたが素晴らしい企画ですな。なにしろ超一流の先生方が追分の極意を惜しげもなく教えてくれるわけですから。損得勘定抜きに正調江差追分そのものの発展のためにその神髄を薀蓄を傾けて伝えようという熱意が伝わってきます。

 

 指導者は大体が自分の教えた唄が崩されるのが嫌で、他の指導者に教わることを嫌うものですが、セミナーの講師が苦労するのもそこにあるようです。

”そうおっしゃいますけど、うちの先生はこう言ってますけどどうなんでしょう”という生徒が必ずといっていいほど1~2人はいます。また、自分の支部に戻って、”セミナーではそこの所はこう唄いなさいと言われたんですが”と言って困らせる人がいるように聞いています。

 そもそもはそういう問を発することが間違ってますな。

昔と違って今は新地派とか詰木石派とかに分かれてそれぞれが自分たちの唄い方が正しいんだと言っているような時代ではなく、正調江差追分として統一されているわけですから、各指導者も「基本譜」に基づいて指導しているわけで、多少の表現の違いは人間に個性がある以上止むをえないんじゃないでしょうか。

 要は、表現の違いをいかに自分の中に取り入れるか、消化するかということでしょう。表現の違いのどちらを取ったらいいのかというような場合には自分がどちらが唄いやすいか、合っているかで判断すればよいことです。指導者にしても、どちらにしたらよいでしょうか、と聞かれても私のいうように唄えば間違いないと言うしかないじゃないですかね^^。自分の中で消化できる人はできるだけ多くの指導者に指導を仰ぐべきだと思います。昔で言えば武者修行ってやつですな。ただし、基礎のできていない初心の人はあまりいろいろな人に指導を仰ぐのはやめたほうがよいでしょう。

わしなどはセミナーの講師が変わるたびに目から鱗を体験しました。

 ぜひ自分が自分の唄に感動する唄い方を会得して、江差追分を楽しんでください。 

 もしまだ参加されたことがないというのであれば、一度参加してみることをお薦めします。20回参加すると、表彰してくれます。