2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

歌詞考2-3(忍路高島~)

北海道教育大学の野村 公氏が昭和39年12月に発表した『民謡「江差追分」の研究』の中で、真偽のほどは別にして興味ある説を述べておられます。 ーーーーーーーーーー 江差の歴史は漁業の歴史といわれ、江差の人達の生活は鰊漁を土台に営まれてきたのであ…

歌詞考2-2(忍路高島~)

忍路(追分節によりてその名天下に高し) 大正九年四月鰊漁期 陸地左端の突起を兜岩と称される 忍路は北海道の西海岸にあって、千石船時代には優秀な商港であった。忍路(オショロ)とはアイヌ語で湾の意味。遠く元文年間より西川家の請負地であって、今のと…

歌詞考2-1(忍路高島~)

(神威岩) 「忍路高島およびもないが せめて歌棄磯谷まで」 わしが最も愛唱する歌詞です。 「鷗の鳴く音に~」が全盛の中で、何故にこの歌詞に惹かれるのか自分でも判然としないのですが、心を捉えて離さないその哀哀切々、男と女の情愛溢れる想いが何とも…

歌詞考1(色の道にも~)

「色の道にも追分あらば こんな迷いはせまいもの」 明治三十四年(1901年)『江差』川竹駒吉 ーーーーーーーーーー 江差追分節は元は江差が始まりである。天保の頃、貸座敷の尚切石町にいた、ある一人の芸妓が孕むということがあった。これより前、盲人…

特級編「止め」

以前「型より入りて型より出づる」という話の中で、型の中にあっても個性で聴衆を感動させる様な唄い方が今後は求められていくだろう、と言いました。その一つの例として今回は「止め」を取り上げてみます。 「止め」は四つということは決まっていますが、そ…